日本は、国土が米国カリフォルニア州にも満たない島国でありながら、米国と中国に次いで世界第3位の経済を誇ります。 日本に事業を拡大し、現地で従業員を採用するべきメリットは多数存在します。 国際企業が日本で採用するには固有の課題が伴いますが、成功のポテンシャルも極めて高いと言えます。
当社の日本における従業員採用ガイドでは、お客様のチームに適切な人材を加入させ、日本市場への参入を成功させるための採用プロセスをご案内します。
日本で採用する前に知っておくべきこと
日本で採用する際の最も重要なポイントは、日本のユニークさは何か理解するために調査することです。 日本の従業員を採用する前に把握しておくべき最も重要なポイントをいくつか見てみましょう。
1. 労働力不足
日本への事業拡大を検討中の場合、世界的に見ても求職者を引き付けるには非常に難しい環境であることを理解するのが重要です。 高齢化社会と出生率の減少により、日本の労働力不足は深刻化しています。 つまり、従業員は非常に高い水準の雇用確保に慣れており、求職活動中は複数の会社から採用オファーを受けるのが一般的です。 さらに、日本の従業員は外資のスタートアップなどではなく有名な日系企業で働くことを好む傾向が強いのが特徴です。
ただし、これを理由に日本への事業拡大を放棄する必要はありません。 こうした課題を認識しておくことで、より効果的な戦略を展開できるようになります。 お客様の本社所在国の採用慣行と日本の採用慣行の主な違いは、従業員が積極的に入社を希望しているのではなく、会社側が応募者に魅力を伝えなくてはならないという点にまとめることができます。
2. 雇用契約と就業規則
内定者の就業規則と雇用条件(給与、就業時間、職場に関する情報など)は、書面で記載する必要があります。 日本の法律上、10人以上の従業員を抱える会社は就業規則を作成して現地の労働基準監督署に提出する必要があります。
就業規則には、賃金、就業時間、休暇、会社の規則、および就業規則違反者への対応手順を含む、従業員の雇用に関する雇用条件が記載されています。 労働基準監督署は、会社の就業規則に必要な情報がすべて含まれており、法令を順守しているか確認して指導してくれます。 また、労働基準監督署の職員は、会社が必ず安全な労働条件を提供できるよう査察することができます。
3. 週間労働時間と最低賃金法
日本における標準的な週間労働時間は40時間であり、これを1日8時間の就業日に分割します。 場合によっては、これが44時間にまで増加することもあります。 日本政府は残業の問題を深刻に受け止めており、従業員が残業する前に雇用主が労働基準監督署との労使協定を提出することを義務付けています。 残業あるいは夜間や法定休日に働く従業員には残業代が支払われ、これは一般的に通常の賃金の25%から50%増となります。
日本には、全国的な最低賃金は設定されていません。 その代わり、各地域と業界が独自の最低賃金を設定しているため、貴社に適用される最低賃金がいくらか調査する必要があります。 なお、最高の人材を引き付けるには、十分に魅力的な 給与と福利厚生を提供しなくてはいけません。
4. 有給休暇
日本の従業員は、6ヶ月勤続すると有給休暇を取得できます。 この時点で、自動的に10日間の年次有給休暇を取得できます。 最初の6ヶ月を過ぎると、従業員が毎年勤続するごとに規定の年次有給休暇が1日ずつ増えます。 このため、勤続18ヶ月で11日間の休暇を取ることができます。 最大日数は20日であり、これは勤続6.5年以上で達成できます。
当然、雇用主は希望する場合、法定要件よりも多くの休みの日を従業員に提供できます。 多くの雇用主は祝日を有給休暇として提供していますが、休日に従業員に給与を支払うことは義務付けられていません。 日本には合計16日間の公休日があるため、こうした祝日を有給休暇として提供すると、従業員が有給休暇を使用すること、または無給休暇を取ることを認めるよりも、大きな特典となります。 日本では病気休暇の支給が義務付けられていません。
5. 税金と社会保障
日本の雇用主は、従業員の所得税を源泉徴収する必要があり、これは従業員の所得に応じて給料から引かれます。 雇用主は従業員の給与の一部を社会保険料として控除します。 雇用主は、社会保障に対する従業員の拠出に上乗せ拠出します。 日本の社会保障には、健康保険、労災保険、失業保険、および年金保険が含まれます。
社会保障には国民健康保険も含まれるため、雇用主は民間の医療保険を提供する必要がありません。 ただし、 雇用主は従業員に毎年の身体検査と健康診断を提供する必要があります。 従業員の数が50人以上の企業はすべて、会社の所属業界または業種に関わらず、定期的なストレスチェックを実施しなくてはいけません。
日本で従業員を雇用する場合のコスト
採用プロセスには必ずコストがかかりますが、新しい国で従業員を採用する場合は追加コストを予算に組み込む必要があります。 日本で新規の従業員を採用する場合は以下のコストがかかります。
- 研究:日本の雇用市場は、おそらくあなた自身のものとは大きく異なるため、また、日本には独自の雇用法があるため、日本への拡大があなたの会社にとって正しい動きであり、関連するすべての法律を理解するために研究を行う必要があります。
- 法的支援:あなたはまた、法律の遵守を支援し、問題を避けるためにあなたが本を通り抜けるように弁護士を雇うことをお勧めします。
- 採用委員会:会社のメンバーで構成された採用委員会を通じて、採用を処理したい場合があります。 採用委員会のメンバーが採用プロセスに費やした時間は、採用コストの大きな部分を占めることになります。
- 出張:あなたまたはあなたの雇用委員会が日本に出張し、そこで新しいオフィスを募集または設立する必要がある場合は、出張費を考慮する必要があります。
- 人材派遣会社:日本での採用は、外国企業にとって深刻な課題となるため、人材派遣会社との提携は一般的な決定です。 ただし、日本の人材派遣会社は他国の場合と比べて高額な手数料がかかる傾向にあります。 日本の人材派遣会社には目標達成ボーナス(OTE)の30%または35%(他国では20%または25%)がかかるものと想定しておきましょう。
- 求人広告:オンラインまたは印刷出版物で求人広告を掲載すると、採用コストも上昇する可能性があります。 求人広告を無料で掲載できるサイトもあります。
翻訳者:あなたは、日本の求職者との書面および面接の両方でのコミュニケーションを支援する翻訳者を雇う必要があります。 - スクリーニングチェック:スクリーニングチェックはあなたの費用にも追加される可能性があります。 日本では犯罪の有無を確認する身元調査の実施が認められていませんが、候補者の在留資格などの雇用前のスクリーニングは可能です。
日本で従業員を採用する企業が知っておくべきこと
専門家雇用組織(PEO)を利用して日本で新規の従業員を採用する場合は、すぐに採用に進むことができます。 また、日本で合法な雇用主となるには、いくつか最初に済ませておくべき作業があります。 会社の支社または子会社を設立する必要があります。 ほとんどの外資企業にとって、株式会社の形態を取るのが最善のオプションとなります。
日本で従業員を雇用するには、まず以下の項目を用意する必要があります。
- 従業員の給料から税金を源泉徴収するための国税庁法人番号の取得
- 日本年金機構への登録
- 失業保険用の外国人雇用サービスセンターへの登録
- 労働基準監督署を通じた労災保険への加入
- 日本の銀行口座の開設
日本の従業員の雇用代行業者を利用すれば、貴社がこうした負担を伴わずに済みます。 日本の雇用主としてのEORの既存の法律事務所と日本の雇用法に関する専門知識により、新入社員を給与に 迅速に追加し、プロセスを迅速化して簡素化することができます。
日本における採用手順
従業員の採用を開始する手順が整ったら、日本における採用の仕方を把握しておく必要があります。 基本的なプロセスはどの国でも大体似ていますが、いくつかの手順には馴染みがないかもしれません。
1. 求人情報を公開する
まずは、日本の求職者に貴社の欠員ポストについて知ってもらうことが最初のステップになります。 つまり、求人広告を作成して、求職者の目に触れるオンラインのサイトに掲載します。 なお、日本人はソーシャルネットワークサービスを利用して求職活動を行うことは少ないため、LinkedInなどに掲載してもあまり効果はありません。 それよりも、日本の求人掲示板を利用しましょう。 英語を話す候補者のみを募集したい場合を除いて、求人広告は日本語で書きましょう。
こうしたサイトは多くの人の目に触れますが、求職者との個人的なつながりを築けるよう努力することも大事です。 日本に頼れる人脈がある場合は、貴社のチームに加わりたい人材がいないかネットワーキング活動をしてみましょう。 日本の求職者は、人材派遣会社からの勧誘電話やオンラインの掲載内容よりも、人づての推薦に注意を払う傾向にあります。
もう1つのオプションは、新卒者の採用です。 この場合、ちょうど雇用市場に参入する新卒者の集団を採用できます。 こうした人材は熟練労働者のような専門的スキルをあまり備えていませんが、斬新な視点、野心、そして確かな学歴を備えています。
2. 応募書類に目を通す
応募書類が届き始めたら、社内の採用委員会または人材派遣会社が審査を始めます。 何十名もの応募者が1つの仕事に応募してくる場合もあり、かなり負担のかかる作業になります。 ただし、日本では掲載した求人広告に対する応募数が他国と比べて少ない可能性が高いでしょう。 日本では1人の応募者に対して1.62件の仕事があるため、日本の求職者はかなりえり好みできる立場にあります。
つまり、雇用主にとっては他国の場合と立場が逆転することになります。 応募書類の審査を進める過程で完璧な候補者は見つからなくても、研修を提供すればチームの新しいメンバーとして力になれるという点に留意しておきましょう。
3. 候補者との面接を実施する
これで、貴社の欠員ポストに最適な候補者と面接を実施することができます。 日本でリモート従業員を採用する場合はテレビ電話による面接が可能ですが、時差を必ず考慮する必要があります。 たとえば、ニューヨーク市は、米国の夏時間を考慮すれば東京よりも13または14時間遅れています。
4. 採用オファーを出して契約書を渡す
貴社が採用したい適切な候補者を見つけた後は、正式な採用オファーを出す必要があります。 この時点でまだ伝えていない場合は、どの程度の給与と福利厚生を提供する予定であるか伝えましょう。
この段階で、職務規定を伝えるか、内定者向けに個別の契約書を作成してください。 必ず、職務内容、報酬、およびその他の重要な詳細に関してお客様と候補者が合意に達し、候補者が十分な情報に基づく意思決定を下せるようにしましょう。
5. 新しい従業員の入社プロセスを行う
これで、新しい従業員の入社プロセスを進めることができます。 政府省庁への提出書類ならびに締め切りはそれぞれ異なります。 たとえば、年金と健康保険に関する書類は従業員の就業開始日より5日以内に提出する必要があります。 雇用代行業者と業務提携した場合は、こうした書類と法令順守をすべて任せることができます。 なお、日本で外国籍の従業員を採用する場合は、センター外国人雇用サービスセンターに書類を提出する必要があります。
書類の提出以外にも、新しい従業員には就業1週目の予定を伝え、新しい職務で幸先の良いスタートを切るために必要な研修を提供しましょう。
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