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G-Pは、業界をリードするGlobal Employment Platform™(グローバル雇用プラットフォーム)を使用して、数か月ではなく数日で高度なスキルを持つグローバルチームを創り上げることで、企業がその潜在能力を最大限に発揮できるよう支援します。しかし、至る所に存在する労働力をうまく連携させるにはどうすればよいのでしょうか?ここでは、私たちが皆で分かち合えるグローバルな成長と成功に向けたチャンスと課題について説明します。
G-P。Global Made Possible
貴社がチリでの採用活動またはリモート従業員の採用に関心がある場合は、当社のガイドをご活用ください。チリの採用慣行は現地の習慣と法律の影響を受けますが、こうした慣行はお客様には馴染みのないものかもしれません。
太平洋沿岸沿いに何千キロも続く国土は非常に美しく、またユニークです。また、南米に事業法人を設立したい国際企業にとっても、チリは魅力的な場所です。チリは世界銀行のビジネス環境改善指数で他のラテンアメリカ諸国を押さえてトップにランクインしており、同地域で最も安定した経済を誇る国として知られています。
チリで採用する前に知っておくべきこと
チリで新規従業員の採用を開始する前に、必ず現地の労働市場ならびに順守すべき雇用慣行を調査しておきましょう。まずは、チリで従業員の採用を検討中のすべての会社にとって必須となる重要なポイントをまとめましたのでご覧ください。
1. 週間労働時間と残業
チリの労働規範では、1週間の最大就業時間が45時間と規定されています。この就業時間を5日間または6日間にわたり分散する必要があります。この制限はマネージャーやリモート従業員には適用されません。一般的に、就業日は10時間を超えるべきではなく、従業員は毎週休暇を1日(主に日曜日)取ることができます。
従業員は必要に応じて残業できますが、1日に2時間以上残業することは認められません。残業には従業員の通常の賃金の1.5倍を支払う必要があります。例外として、従業員に適用される団体交渉協約または雇用契約がより高い残業代を指定している場合があります。
2. 報酬に関する要件
チリの最低賃金は現在月額320,500チリペソとなっています。18歳未満または65歳を超える従業員には別の最低賃金が適用され、これは現在301,000チリペソとなっています。貴社の所属業界の労働者にとって一般的な報酬はどの程度か調査しておきましょう。
他のラテンアメリカ諸国とは異なり、チリにはボーナスの支給義務がありません。ただし、年に2回、従業員にトークンボーナスを支給するのが慣習となっています。このボーナスの支給時期は、9月の独立記念日とクリスマスになります。
3. 休暇に関する方針
労働規範には、従業員が年間15日間の有給休暇を取得できると規定されています。従業員が10年間勤続すると、追加の休みの日が発生します。勤続年数の長い従業員の場合、現在の雇用主の下で3年働くごとに1日追加されることになります。なお、チリの一部の地域では15日ではなく20日間の休みを義務付ける独自の法律がある場合もあります。また、チリには年間で14日間の公休日があり、従業員は公休日に休暇を取る資格があります。
従業員が病気で出勤できない場合、欠勤日数が3日を超えない限り疾病手当は支給されないのが一般的です。3日以上病気になると、疾病手当が適用されます。また、従業員は結婚や出産の他、親、子供、配偶者の死亡など、特別な状況では特別休暇を取得できます。
4. 社会保障税
チリでは、従業員が複数の社会保障制度に拠出する必要があります。雇用主は、従業員の給料から正しい金額を控除する必要があります。幸い、雇用主が支払う必要のある金額はさほど多くありません。雇用主は失業保険の少額の掛け金を拠出し、労災や病気に対処する必要があります。
従業員には、年金、健康保険、生命保険、そして失業保険への拠出が義務付けられています。社会保障費の大半は従業員が負担するため、チリの人件費は比較的妥当です。
5. 健康保険
チリの医療制度は公的および民間医療を組み合わせたものです。社会保障費に加え、従業員はISAPREと呼ばれる民間健康保険制度に拠出する必要があります。
状況によっては、従業員は標準額よりも多くの額を拠出して、より高額な保険プランまたは補足的なプランを通じて健康保険の補償内容を充実させることも可能です。こうしたケースでは、雇用主がボーナスを支給して健康保険のコストを相殺します。こうしたボーナスの支給は任意であるため、補足的福利厚生の提供は従業員を引き付ける上で効果的です。
チリにおける従業員の採用コスト
チリにおける採用コストは、報酬と支給義務のある福利厚生の面から見ると、比較的安価です。しかし、採用プロセス自体にコストがかかります。求人広告の掲載からチリでの事業法人の設立、そして法令順守の確保など、あらゆる手続きが採用時のコストに上乗せされていきます。チリで初めて採用活動を行う企業は、以下のコストを予算に組み込む必要があります。
- 専門のコンサルタント: チリには比較的事業のやりやすい環境が整っていますが、同国には雇用に関する厳格な法律があり、企業はこれを順守しなくてはいけません。このため、現地の弁護士や会計士を雇い、チリの雇用に関する法律と税法に対応する必要があるかもしれません。
- 事業法人の設立: チリの内定者を直接雇用するには、まず貴社の事業法人を設立する必要があります。これは、外国支局または子会社の設立を意味します。このプロセスに伴う事前費用は、チリで新しいチームを構築する際の総コストに組み込んでおく必要があります。
- 求人広告: 求人広告は無料で掲載できるサイトもありますが、有料でもトラフィックの多いサイトに掲載した方が良いでしょう。あるいは、費用を支払ってオンラインで求人掲示板で特集してもらうこともできます。
- 採用委員会または人材派遣会社: 人材派遣会社を介して採用すると、採用コストは大幅に増加します。ただし、社内でこのプロセス全体に対処するには多大なコストがかかります。人事チームは、新しい国における採用プロセスの実施に時間を費やす必要があります。
- 通訳: スペイン語を話す同僚が同行しない場合は、通訳者を雇う必要があります。通訳者は、対面式コミュニケーションならびに重要文書のスペイン語での起草を支援できます。
- 身元調査: 従業員の審査を開始する場合、身元調査が採用コストに加わります。チリでは、応募者の学歴、職歴、そしてビザの確認の他、犯罪歴の有無に関しても合法的に調査することができます。
企業がチリで従業員を採用するために必要なこと
チリで合法的に従業員を雇用するには、まず現地で事業法人を設立する必要があります。これには、支社または子会社の設立が伴います。チリで合法的に雇用を開始するには、以下の作業を行う必要があります:
- 登記: 商業登記所で会社を登録する必要があります。また、税務当局に登録して納税者番号を取得する必要があります。
- 書類:会社を設立するには、基本定款、法人設立定款、細則など、多数の書類を作成して提出する必要があります。これらの書類はスペイン語で記述する必要があり、公証人による署名を要する場合もあります。
- チリの銀行口座: 現地では銀行口座を開設する必要があります。このプロセスには数週間を要する場合もあり、従業員への給与支払いを開始する前に完了しておく必要があります。
- 本籍地: チリではオフィスの所在地も登録する必要があります。
- 地方自治体の労働許可証: 貴社の所在地となる都市に、労働許可証の取得についてお問い合わせください。
- 保険: 一部の雇用主は、従業員の採用前に労災保険に加入しておく必要があります。
こうした事前要件への対応を希望しない場合は、Globalization Partnersのような雇用代行業者(EOR)の協力を求めることができます。雇用代行業者は、チリにおける事業法人の設立プロセスを停止または完全に省略できます。実質的に従業員はお客様のために働いている間、雇用代行業者が法令順守、報酬、および福利厚生などの事務手続きを処理することになります。
チリにおける採用手順
チリにおける採用プロセスは比較的シンプルであり、お客様の本社所在国の場合と似ているかもしれません。それでは、詳しく見てみましょう。
1. 求人広告を掲載する
チリにおける採用プロセスでは、一般的に人脈と個人的なつながりが大きな役目を果たします。なお、求人広告を通じて適格な候補者を見つけることもできます。2017年現在、チリ人の82.3%がインターネットを利用しています。つまり、El MercurioまたはEl Rastroなどの新聞に求人広告を掲載する以外に、オンラインで掲載する必要があります。基本的な求人掲示板以外にも、会社の所属業界またはチリ駐在員専用の求人掲示板など、より専門的なサイトに掲載することもできます。
必ず、求人広告には会社と職務の双方に関する詳しい説明を掲載しておきましょう。チリでリモート従業員を採用する場合は、求人広告にその旨を書いておきましょう。
2. 応募書類に目を通して候補者の短いリストを作成する
応募プロセスにアンケート調査またはテストなどのツールを組み込み、応募者を比較しやすくしましょう。履歴書を手作業で評価する時間または労働力がない場合は、ソフトウェアを利用して絞り込むことができます。どのような方法で作業する場合でも、この手順の目標は適格な候補者プールを短いリストに絞り込むことが目標となります。
なお、チリには優秀な労働者がいますが、お客様の本社所在国の候補者の履歴書で見慣れている学位の保持者は少ない可能性があります。2011年現在、チリの成人人口の29%は高等教育を取得しています。チリでは、社会科学、経営学、および法学が最も人気のある学位となっています。仮に、通常であれば従業員に一定の学位を求める場合でも、チリの応募者を相手にする場合は柔軟な対応を取るとよいかもしれません。
3. 絞り込んだリストの候補者と面接を行う
さらに審査を進めたい候補者を見つけた後は、連絡を取り面接をスケジュールしましょう。面接には十分な時間を設けて会話し、応募者について個人的に知り合えるようにしましょう。なお、チリには差別禁止法があるため、面接を受ける人の婚姻の有無または労組に加入しているかなど、差別的と見なされる可能性のある質問は避けましょう。
バーチャル面接をスケジュールする場合は、現地時間であるチリ標準時またはイースター島標準時のどちらかで時間を伝えましょう。チリは、夏時間も採用しています。
4. 契約書を起草する
チリで採用する場合は、書面の雇用契約書を作成する必要があります。契約書には、以下の情報を含めてください。
- 場所と日付
- 雇用開始日
- 従業員が提供するサービスの種類
- 勤務地
- 報酬額、報酬形態、および支払い期間
- 通常の就労スケジュール
- 契約条件
5. 新しいチリ従業員の入社プロセスを行う
給与に関して合意に達し、上位候補者が採用オファーに署名した後は、入社プロセスを開始できます。入社プロセスは、会社によって異なります。新しい従業員は書類を完成させる以外にも、契約書に十分に目を通してから署名して、内容と条件を理解して合意したことを確認する必要があります。また、服装規定やその他の会社方針などの情報も伝えておきましょう。内定者が幸先の良いスタートを切れるよう、研修用チュートリアルも提供する必要があるかもしれません。
Globalization Partnersとの業務提携でチリのチームを速やかに構築
チリ市場への事業拡大で得られることは多数ありますが、お客様はグローバル拡大に伴う複雑な手続きは避けたいと思っているかもしれません。雇用代行業者と提携すれば、貴社が内定者を選定し、法令順守や給与支払い管理などの事務手続きをすべて任せることができます。このソリューションの場合、チリで従業員を採用するために事業法人を設立する必要もありません。
世界187ヶ国にグローバル雇用代行業者を展開するGlobalization Partnersは、チリやその他の世界各地の国々で新しい従業員チームを迅速に採用できるよう支援します。貴社が将来的に国際拡大を検討中の場合は、Globalization Partnersに提案要求を行ってください。当社が雇用に関する責任を引き受けることで、貴社は事業運営と新しい国際事業の成功に注力できます。