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G-Pは、業界をリードするGlobal Growth Platform™(グローバル成長プラットフォーム)を使用して、数か月ではなく数日で高度なスキルを持つグローバルチームを創り上げることで、企業がその潜在能力を最大限に発揮できるよう支援します。しかし、至る所に存在する労働力をうまく連携させるにはどうすればよいのでしょうか?ここでは、私たちが皆で分かち合えるグローバルな成長と成功に向けたチャンスと課題について説明します。
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南アフリカは多数の国際企業を誘致しており、BMW、スタンダード・バンク・グループ、バークレイズ銀行、ボーダフォン、フォルクスワーゲン、ゼネラルエレクトリックなどが事業法人を設立しています。南アフリカの魅力の1つとして、成熟したインフラストラクチャと少ないビジネスコストの組み合わせが挙げられます。
本ガイドでご紹介する南アフリカにおける採用ヒントを通じて、現地で事業運営を展開するか、南アフリカの従業員をリモート採用するための準備を進めることができます。
南アフリカで採用する前に知っておくべきこと
国際採用の取り組みは、まず現地の労働力、言語、法律、そして習慣について調査するところから始まります。南アフリカにおける採用を検討している国際雇用主向けに、主なポイントを以下にまとめました。
1. 南アフリカの労働市場
南アフリカはこれまで国家としての前進を続けてきましたが、その労働力は依然としていくつかの深刻な課題に直面しています。不平等は著しく、特に高所得者の所得は増加の一途をたどっています。世界的なコロナ禍によって失業率は30.8パーセントという記録的な数値に達しましたが、コロナ以前から南アフリカの失業率の高さは常態化していました。国連大学世界開発経済研究所(UNU-WIDER)の2016年の報告書によると、南アフリカは労働市場の危機に陥っていると説明されています。
国際企業は南アフリカの失業率の高さについて、就職に苦労している有能な従業員を雇用する明らかなチャンスであると考えるかもしれません。しかし、南アフリカ人の履歴書に記載される学歴は、お客様の本国の応募者によく見受けられる資質を反映したものではない可能性がある点に注意してください。高等教育を受けたのは南アフリカ人の成人のわずか7パーセントであり、その割合は全OECD諸国およびパートナー国の中でも最低です。
高等教育はまれですが、南アフリカの若年成人の77パーセントは後期中等教育または中等後教育の資格を取得しています。南アフリカの教育は高等教育を重視していませんが、質の高い教育に重点を置いています。Brookings Institutionのアフリカ成長イニシアチブ(Africa Growth Initiative)の研究者であるJohn Mbaku博士によると、南アフリカ人が受ける質の高い教育によって、同国の労働力は国際企業にとって魅力的なものになっています。
2. 言語の多様性
南アフリカにはさまざまな言語が存在します。正式には1996年の憲法でこれらの言語のうち11つが承認されています。
- アフリカーンス語
- 英語
- ンデベレ語
- ペディ語
- ソト語
- スワジ語
- ツォンガ語
- ツワナ語
- ヴェンダ語
- コサ語
- ズールー語
南アフリカには明確な共通語はありませんが、ほとんどの官庁、教育機関、公式的なビジネスの状況において英語が支配的な言語になりつつあります。しかし、南アフリカ人のうち、第一言語として英語を話すのはわずか8.1パーセントであり、16.6パーセントが家の外で英語を話します。ズールー語は同国において最も一般的な第一および第二言語です。
求人広告作成、応募者の面接、契約作成にあたり、お客様は現地語を念頭に置き、必要に応じて通翻訳者を雇用してお客様が内定者と確実にコミュニケーションを取れるようにしなければなりません。
3. 就業時間と有給休暇
4. 報酬
南アフリカは2019年に初めて国定最低賃金を定めました。2020年に最低賃金が引き上げられ、時給は20.76南アフリカ・ランド(ZAR)になりました。現在、一部の労働者区分において最低賃金率は低いものの、こうした最低賃金率は同国の標準最低賃金に一致するまで年に1回引き上げられることになっています。こうした労働者グループには、農業労働者、拡大公共事業プログラム(expanded public works program)労働者、家庭内労働者が含まれます。
国定最低賃金は最低賃金法(Minimum Wage Act)によって年に1回見直されるため、最新の最低賃金率を確認し、また、業界の規範にも注意を払ってください。従業員の基本給に加え、13か月目の給与の追加支給も考慮に入れなければなりません。このボーナスは1か月分の賃金に相当するもので、南アフリカでは年末に支給することが慣習となっています。
5. 税金と社会保障拠出
南アフリカでは累進所得税制度が採用されており、雇用主は源泉徴収制度(PAYE)モデルに従って所得税をあらかじめ源泉徴収しなければなりません。PAYEに加え、従業員は各自の月収の1パーセントを失業保険基金(UIF)に拠出する必要もあります。UIFは、病気、産休、養子縁組休暇によって働けない労働者のための社会的セーフティネットです。また、UIFでは、亡くなった従業員の子孫に死亡給付金が支払われます。
雇用主はこの拠出金と同額(総額で2パーセント相当額)を支払います。また、1年間で500,000南アフリカ・ランドを超える給与支払い管理を行っている雇用者は南アフリカ歳入庁(South African Revenue Services)に対して月間の給与支払い管理の1パーセントを拠出する必要もあります。この拠出金は、個々の業界と管轄区域における教育と訓練に役立てられます。雇用主は労働災害補償法(Compensation for Occupational Injuries and Diseases Act)(COIDA)に沿った拠出金も毎年支払います。拠出率は業界によって異なりますが、およそ0.11~8.26パーセントの範囲です。
南アフリカにおける従業員の採用コスト
従業員の雇用には、採用活動を行っている国にかかわらずかなりのコストがかかります。まず、求人経費を考慮に入れる必要があります。南アフリカで初めて従業員を雇用する場合、次のような経費がかかります。
- 企業の設立にかかる手数料
- 求人広告の投稿と公開
- 人材派遣会社との契約または新たな人事専門家の雇用
- 法的コンプライアンスの堅持をサポートする現地専門家との連携
- 候補者との面接および会社の設立を目的とした南アフリカ往復出張
- やり取りをサポートする通翻訳者の雇用
- 雇用前のスクリーニングの実施
こうした1回限りの採用コストに加え、人員の雇用にまつわる以下のような継続的費用も考慮しなければなりません。
- 報酬総額:従業員に支払う報酬額は、従業員の雇用における最大の継続的費用です。これには、基本給とお客様が支給するすべてのボーナスが含まれます。
- 休暇: 従業員は休暇の取得により、お客様の会社に対して生産性に寄与することなく費用負担をかけています。もちろん休暇の付与は重要ですが、お客様は従業員に年21日以上の休暇を付与するコストを考慮に入れなければなりません。
- 諸経費: お客様が南アフリカで従業員用のオフィススペースを借りるか施設を建設する場合、これは労働者の雇用にかかる全費用に含まれることになります。同様に、その他の管理費や、お客様が購入する必要がある、従業員の職務上必要なすべての設備も費用に含まれます。
- 研修:従業員の研修は常に重要ですが、お客様の本国で普通であると思われるものとは異なる学歴を持つ従業員を雇用する場合、これは特に当てはまります。お客様は、従業員が卓越性をもって各自の職務を行う上で必要な研修に投資しなければなりません。
南アフリカで従業員を採用する企業が知っておくべきこと
南アフリカで従業員を雇用するために、お客様の会社はまず同国に事業法人を設立する必要があります。お客様は、支店、非公開会社、公開会社、株式非公開会社、共同経営会社、または合弁事業の設立を選択することができます。多くの国際企業は南アフリカにおいて非公開会社の設立を選択しています。これによって外国支店よりも独立性を高めて運営することができます。南アフリカで事業を開始するには少なくとも40日かかり、いくつかのステップが必要になります。南アフリカで子会社を設立するには以下を行う必要があります。
- 会社名を申請するか、お客様の名前で事業番号を取得します。
- 法人設立通知書を提出します。
- 定款を提出します。
- 南アフリカの銀行口座を開設します。
- 税務当局に登録します。
- 労働省にUIFを申請します。
- COIDAに登録します。
- 地区評議会に申請します。
また、お客様の業界や同国における事業運営によっては、お客様は特殊な営業免許または営業許可を取得する必要がある可能性があります。また、オフィススペースの賃貸であるか製造プラントの建設であるかに関係なく、事業拠点の設置にかかる時間も考慮しなければなりません。
南アフリカにおいて物理的なビジネス拠点は必要ではないものの、新入社員の雇用をすぐに開始したい場合、もっと簡単なソリューションは雇用代行業者(EOR)と提携することです。南アフリカの雇用代行業者は、専門家雇用組織(PEO)としても知られており、同国で既に法人を設立し、お客様に代わって専門家を雇用することができます。書類上、雇用代行業者は雇用主ですが、お客様が雇用する従業員は実際にはお客様の会社で勤務します。
雇用代行業者は法的コンプライアンスおよび、給与支払い管理や休暇の管理といった人事タスクに対する責任を負います。つまり、お客様の会社は、国際採用における複雑さに対処する必要なく、南アフリカの従業員を雇用するすべてのメリットを享受できるのです。
南アフリカにおける採用ステップ
南アフリカにおける雇用方法を理解することは、つまるところ、お客様ご自身が南アフリカとお客様の本国における雇用慣行の微妙な違いをよく理解するということです。では、こうした違いが、採用プロセスにおける基本的なステップのそれぞれにどのように関与してくる可能性があるのかを見ていきましょう。
- 求人広告の公開:CareerjetやIndeedなど、南アフリカ人の間で有名な求人掲示板ウェブサイトに求人広告を投稿します。南アフリカのインターネット浸透率は56.3パーセントしかないため、お客様はリーチしたい読者に応じて全国紙や地方紙に広告を出してもよいでしょう。英語を話せる従業員をターゲットにする場合、求人広告は英語で記述して投稿します。他の言語を話す人に門戸を開く場合、ズールー語やその他の優勢言語の翻訳を追加することも検討してください。
- 求人応募の評価:南アフリカ人の履歴書(CV)には、お客様の本国のレジュメやCVではあまり見かけない個人的な詳細が盛り込まれています。これには、生年月日、ID番号、ジェンダー、婚姻区分、運転免許、そして応募者の健康状態までもが記載されています。最も能力のある候補者を探すにあたって覚えておくべきもう1つのことは、お客様の本国の採用候補者によく見受けられるほど多くの学位資格を見込める可能性は低いということです。これは、同国が高等教育にあまり重点を置いていないからです。
- 候補者との面接の実施:南アフリカでリモート従業員を雇用する場合、面接をバーチャルで実施しなければならない可能性が高くなります。こうした面接を計画する際、お客様の所在地と南アフリカ標準時(協定世界時(UTC)+2時間)の時差を考慮します。また、候補者がビデオ通話に適した高品質のインターネット接続へ確実にアクセスできることも確認しなければなりません。候補者の能力や仕事に対する適性に焦点を当てた面接質問は、お客様が通常期待する学歴を持たない候補者を見分ける上で役立つでしょう。
- 候補者のスクリーニング:このプロセスにおけるもう1つの重要な部分は雇用前のスクリーニングです。これは、採用プロセスのさまざまな段階で起きる可能性があります。南アフリカの雇用主は、採用プロセスの一環として、従業員の同意を得た上で、犯罪歴やクレジット記録のチェックを含む身元調査を実施することができます。実施する必要があるチェックの数を最小限に抑えるため、採用プロセスの終わり頃に身元調査を行うとよいでしょう。
- 採用オファーの共有:最も能力のある候補者に接触してお客様の会社におけるポストをオファーします。5人以上の従業員を擁する雇用主は、1か月に24時間以上勤務するすべての従業員に対し、書面による雇用契約を交付することが義務付けられています。お客様はこの契約をすぐに共有するか、最も重要な項目を取り上げて契約書そのものを入社プロセスに向けて保存することができます。
- 従業員の入社プロセス:会社のマネージャーは南アフリカへ出張し、入社プロセスの一環として新入社員と会合するとよいでしょう。従業員の初出勤日に、個々の雇用契約について段階的に説明します。この契約には、給与、就業時間、休暇制度、通知期間といった特定の情報を記載する必要があります。また、給与支払い管理の開始に必要なすべての書類作業を行う必要もあります。
信頼できる雇用代行業者としてGlobalization Partnersを利用して南アフリカで従業員を雇用する
Globalization Partnersは、南アフリカを含む全世界の187か国に現地チームを有する業界トップのSaaS雇用代行業者です。当社は、雇用代行業者として、お客様が選定した従業員の入社プロセスを行い、法令を順守した雇用契約と条件を提供し、報酬と福利厚生を管理することができます。その間、この国での法人の設立を取り止めるか、延期することができ、会社は南アフリカ従業員との生産的な関係を享受できます。国際雇用に伴いがちな頭痛の種も全くありません。
最初に、南アフリカにおける当社の雇用代行業者ソリューションについて詳細を確認し、お客様の国際採用の目標にとって雇用代行業者との提携が適切であるか検討してみましょう。