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G-Pは、業界をリードするGlobal Employment Platform™(グローバル雇用プラットフォーム)を使用して、数か月ではなく数日で高度なスキルを持つグローバルチームを創り上げることで、企業がその潜在能力を最大限に発揮できるよう支援します。しかし、至る所に存在する労働力をうまく連携させるにはどうすればよいのでしょうか?ここでは、私たちが皆で分かち合えるグローバルな成長と成功に向けたチャンスと課題について説明します。
G-P。Global Made Possible
世界で2番目に人口の多い国であるインドの市場経済は発展途上にあり、国際拡大またはリモート従業員の採用に関心を持つ多数の国際企業にとって魅力的な場所となっています。現地でのチームの構築または単に1人の従業員を採用予定の場合でも、当社のインドにおける採用ガイドはこのプロセスを進める上で役に立ちます。
インドで採用する前に知っておくべきこと
新しい国で採用活動を開始する前に、その国の労働力の状況、そして順守すべき雇用関連の規制について把握しておく必要があります。それでは、インドで採用活動を開始する前に理解しておくべき重要なポイントをいくつか確認してみましょう。
1. インドの労働力のスキル
全国的に見て、インドの労働力は教育とスキル不足に悩まされています。この点は、インドの従業員を採用したい国際企業にとってネックとなっているもようです。しかし、インドの人口は13億3,000万人を超えており、人口のより少ない国の場合と同じアプローチで統計データを扱うことはできません。これは、インドの就学率にも当てはまります。
2001年以降、高等教育機関の在籍者数は4倍に増加しましたが、インドの大学進学率(16~23歳の間で高等教育を受けている人口の割合)はわずか26.3パーセントとなっています。これは、人的資源開発省が掲げる2020年の目標である30パーセントを下回っているため、悲観的な数値のように思えます。しかし、このパーセンテージをインドのこの年齢集団の人口と掛け合わせると、インドの約4,880万人の若年成人が高等教育機関に在籍していることになります。こうしてみると、これはスペインの全人口を上回ることが分かります。
実際のところ、貴社に加入できる、教育水準の高い候補者がインドには多数存在します。インドの最も顕著な新興産業には、工業生産、テクノロジー、情報通信(IT)とビジネスサービスアウトソーシング、小売、金融サービス、医療、および観光が含まれます。2018年、農業セクターは最大の雇用主となり、インドの労働力全体の42パーセント以上を雇用していました。サービスセクターと製造セクターは、それぞれ第2、第3の雇用主でした。
2. 転職
インドにおいて、特に若年労働者を含む多くのインド従業員が転職に何ら抵抗意識を持たないという点は、インドの労働力に関する注目に値する点になります。あるアンケート調査では、インド人労働者の56パーセントは短期間で転職する傾向にあることが明らかになっています。転職する労働者が挙げた最も多くの理由は、現状よりも良いポストをオファーされた、現在の仕事に不満がある、またはネガティブな職場環境であるといったものでした。
また、この調査では、多くの労働者が自身のスキルセットの幅を広めて、履歴書の内容や将来的な展望を改善するための方法として転職を考えていることが分かりました。候補者プールが失業中の求職者に限定されることはないため、こうした転職者の態度は雇用主にとって有利に働くことでしょう。同時に、これは最高の人材を維持するには従業員に対する的を絞った努力が求められることも意味します。従業員を維持するには、毎年賃金を上げて、肩書も調整していく必要があります。
3. 給与体系
インドでは、多くの従業員が基本給に加えてさまざまな手当を支給されるため、報酬体系の交渉は複雑なプロセスとなります。こうした手当は相当な額に上り、従業員の基本給は合計補償額のわずか40パーセントを構成するのみとなっています。こうした手当には、以下の内容が含まれます。
- 業績ベースのボーナス
- 子供の教育手当
- 子供のホステル手当
- 受託家賃手当(HRA)
- 車両手当
- 電話または携帯電話手当
- 個人旅行手当(LTA/LTC)
- 特殊手当
こうした手当の一部は課税対象となる一方、一定の額までは非課税となるものもあります。従業員の報酬体系に含める適切な金額を決定するのは複雑な作業となります。このため、国際雇用主はインド従業員を扱う人事作業のアウトソーシングを検討すると良いかもしれません。従業員が求めているのは、最も節税効果のある給与と報酬体系になります。
なお、インドには全国的な最低賃金が存在しませんが、各地方自治体政府には最低賃金を設定する権限が付与されています。最低賃金は、地域、業界、雇用の性質、そして従業員の年齢によって異なります。
4. 税金と社会保障拠出
国際雇用主がインドの税法を理解するには、新たに複雑な手続きを踏まなくてはいけません。インドは最近、70におよぶ免税を排除する一方で税率を下げるという新しい税制度を導入しました。この新しい税制度は旧制度と併存するため、従業員はどちらの制度に従うか選択することができます。いずれも累進課税制度にあたるため、従業員の所得に応じてその課税額が決まります。所得が一定の閾値を下回る従業員は、所得税を一切支払う必要がありません。
インドにも社会保障制度があり、これは従業員の積立基金組織(EPFO)によって管理されています。雇用主と従業員は、退職後の貯蓄制度である従業員の積立基金(EPF)に拠出します。従業員は、この拠出の大半を負担します。ただし、雇用主はその他の社会保険に対する拠出を全額負担する必要があります。
5. 保証給付
インドには、すべての労働者に適用される法定福利厚生の明確なリストは存在しません。その代わり、特に貴社の所属セクターに適用される法令がないか確認する必要があります。たとえば、商業活動には現地の店舗および施設法を適用し、工場は工場法に従う必要があります。
就業時間に制限を設定するか、休憩を提供する関連法がないか確認しておきましょう。有給休暇の要件は年間12日から21日に及びます。従業員には、病気休暇、産休、またその他の休暇の取得資格があるかもしれません。従業員は公休日に休む資格もありますが、こうした公休日は地域ごとに異なります。必ず、採用活動を行う現地にどのような祝日があるのか調査しておきましょう。
雇用主に健康保険の支給義務はありませんが、多くの雇用主はインドの従業員が受けることのできる公的医療保険制度を補助するために民間の健康保険を提供しています。国際的な人事業務をアウトソーシングすれば、適切な福利厚生を見つけるという複雑な業務も省略できます。
6. インドにおける言語
インドには多数の民族集団が存在し、こうした集団は何百もの異なる言語を話しています。インドの憲法には、このうちの22の言語について書かれています。インドで最も一般的に話されている言語はヒンディー語です。インドの全人口の約41パーセントは第1言語としてヒンディー語を話しています。2番目に多く話されているベンガル語は、人口の約8パーセントが話しています。
こうした言語的な多様性は国際雇用主にとって大きな課題のように思えるかもしれません。しかし、英語を公用語とする企業は、インドでは英語が共通語として使用されている点に留意してください。2019年に実施されたアンケート調査の結果によると、都市部の人口の約88パーセントが英語を話すことが分かっています。これとは対照的に、農村部で英語を話すと回答したのはわずか3パーセントでした。大都市圏で事業を設立する限りにおいては、英語を話す従業員を問題なく採用できることでしょう。
インドで従業員を採用する場合のコスト
新しい従業員の採用は財務面でも大掛かりな仕事となります。最大の検討事項は人件費であり、インドでは報酬体系の構造上、その計算が非常に複雑になりがちです。それぞれの従業員にかかる人件費を計算する他、採用プロセスに伴うコストも考慮する必要があります。こうしたコストには、以下の内容が含まれます。
- インドにおける事業法人の登記料
- インドの税法と雇用に関する法律を順守できるようサポートする弁護士と会計士
- 人事採用者とマネージャーが採用業務に費やした時間
- 人材派遣会社にアウトソーシングした場合の費用
- 採用イベントを主催またはこれに参加した場合の費用
- 求人広告費用
- インドに渡航する採用者の出張費
- 内定者が転勤する場合の費用
- 第三者プロバイダーを通じて身元調査を実施する場合のコスト
インド従業員はすぐに転職する傾向にある点に留意して、自社にとって最適な従業員を選び、採用後は長くつなぎ止められるように注力します。そうしなければ、こうした従業員を置き換える際に再びコストが発生することになります。
企業がインドで従業員を採用するために必要なこと
インドで新規の従業員を採用するには、貴社の事業法人を設立して雇用主とするか、専門家雇用組織(PEO)と呼ばれる雇用代行業者(EOR)と提携することができます。
雇用代行業者には、インドで新しい従業員を採用するために必要なあらゆる準備が整っているため、お客様はすぐに従業員の採用を開始できます。また、雇用代行業者はインドの雇用に関する法律に精通しているだけでなく、魅力的な給与と福利厚生を提供できます。つまり、雇用代行業者と提携すれば、インドで自社の事業法人を設立して、インドの従業員に関する複雑な人事業務をこなす必要性がなくなります。
こうした人事関連の責任を任せることで、法令不順守のリスクも貴社の責任ではなくなります。Globalization Partnersは、インドの労働者の雇用のあらゆる側面で法令順守を維持するためのノウハウを備えた現地の専門家を抱えています。
雇用代行業者との業務提携を選ばない場合は、インドで支社または子会社を設立して、採用やその他の人事業務に社内で対応することになります。インドで子会社を設立するには、まず貴社の所属セクターに適用される規制について調査する必要があります。インドにおける法人化プロセスは複雑でコストと時間がかかります。
インドで子会社を設立する国際企業の大半は、有限責任会社または公開有限責任会社を選びます。インドで子会社を設立して従業員の採用を開始するには、以下の項目を取得する必要があります。
- 取締役識別番号(DIN)
- デジタル署名証明書(DSC)
- 会社登記局によって承認された事業名
- 覚書および定款
- 法人化の申請
- 事業活動開始の証明書
- 社印
- 納税者番号(PAN)
- 従業員の積立基金組織(EPFO)の申請
- 付加価値税(VAT)登録
- 医療保険の申請
貴社の所属業界または所在地によっては、特殊許可証またはその他の認可が必要となるかもしれません。採用活動を開始する前に、十分に時間をかけてすべての要件を満たしていることを確認しておきましょう。
インドにおける採用手順
全体的に見て、インドにおける採用慣行はお客様の本社所在国で慣れ親しんだ内容と似ている可能性が高いでしょう。ただし、いくつかの考慮すべきインド特有の検討事項も存在します。インドにおける採用プロセスに加えて、理想的な候補者を見つけるためのヒントを詳しく説明します。
1. 求人広告を作成して掲載する
まずは、ポストの職務内容ならびに理想的な候補者に求める特性や必要な資格を概説しましょう。次に、こうした広告を掲載するのに最適な方法を探しますが、これは採用する業界と地域によって異なります。リモート従業員を採用する場合は、オンラインの求人掲示板やLinkedInなどのネットワーキングサイトに注目すると良いでしょう。インドでは5,000万人以上のプロフェッショナルがLinkedInのプロフィールを保有しています。
オンラインの求人広告掲載は人気のある戦略となっています。インド全体のインターネット普及率は50パーセントであるため、インターネットへのアクセスが限られている候補者にもリーチしたいのであれば、紙媒体の新聞に求人広告を掲載することを検討しましょう。
2. 応募書類に目を通す
インドのプロフェッショナルは、求人応募に送り状と履歴書を提出するのが一般的です。履歴書は国によって内容が異なります。国際雇用主は、自社の本社所在国における履歴書と比べて、インドの履歴書には大量にの個人情報が書かれていることに気づくかもしれません。たとえば、応募者が自身の性別、年齢、国籍、および婚姻の有無などを記載し、写真も含める場合があります。
3. 面接を実施する
インドでリモート従業員を採用する場合は、テレビ電話を活用した面接を検討するとよいでしょう。テレビ電話の面接をスケジュールする際は、必ずインド標準時(IST)とお客様のタイムゾーンの双方にとって合理的な時間帯を選びましょう。例えば、ニューヨークを拠点とする会社が東部標準時午後1時30時に面接をスケジュールしてしまうと、インドの面接を受ける人にとっては深夜になってしまいます。
インドでオフィスを設立する場合は、候補者との対面式面接を実施できます。インドにおける面接は、お客様の本社所在国で行っている面接とよく似た内容にする必要があります。ただし、貴社の公用語に堪能ではない従業員を採用する意向がある場合は、面接を受ける人の言語力を考慮した上で、通訳者を手配して面接を支援する必要があるかもしれません。
4. 採用オファーを提示する
面接を1回または数回にわたって実施した後で、最も適格な候補者に採用オファーを出しましょう。インドの雇用に関する法律は複雑かつ曖昧であるため、新しい従業員に対する期待事項を明確に設定した詳細な雇用契約を作成するこのが賢明な手段となるでしょう。細部にまで入念に書かれた契約書であれば、候補者が従業員になった場合にどのような権利があるのか確実に分かりやすくなります。
インドルピーで従業員の報酬を記載する他、手当と福利厚生についても含めておきましょう。また、解雇の際の手順についても記載しておく必要があります。従業員には契約書の内容を見直してもらい、署名をもって雇用条件に対する合意を確認してもらいましょう。これは法律上義務付けられていませんが、インドで雇用主となる場合に役立つ可能性があります。
5. 内定者の入社プロセスを行う
これで、新しい従業員の入社プロセスを進めることができます。この手順には、給与支払い管理の設定や社内システムへの従業員の追加に伴う書類作業が含まれます。入社プロセス中は、服装規定などの企業文化に関する詳細も伝えておきましょう。また、従業員が新しい役職で幸先の良いスタートを切れるよう研修を提供する必要があるかもしれません。
雇用代行業者としてGlobalization Partnersと提携していただいた場合、当社が新規従業員の入社プロセスに伴う細かい手続きを引き受けるので、お客様は各ポストで従業員が活躍するための準備に専念できます。
Globalization Partnersと提携してインドへ事業拡大
Globalization Partnersは、インドを含む世界187ヶ国で事業法人をすでに設立しています。当社は、インドにおける事業法人の設立や現地の複雑な税法と雇用に関する法律に対処することなく、お客様が従業員を速やかに採用できるようサポートします。当社がこれらの事務手続きを担当することで、お客様は事業運営に集中できるようになります。お客様が採用したインド従業員は依然として貴社のために働くため、事業拡大を検討しているがグローバル採用に伴う頭痛の種を避けたい企業にとって、Globalization Partnersは貴重なソリューションとなります。
まずはインドにおける雇用代行業者ソリューションの詳細をご覧ください。