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G-Pは、業界をリードするGlobal Employment Platform™(グローバル雇用プラットフォーム)を使用して、数か月ではなく数日で高度なスキルを持つグローバルチームを創り上げることで、企業がその潜在能力を最大限に発揮できるよう支援します。しかし、至る所に存在する労働力をうまく連携させるにはどうすればよいのでしょうか?ここでは、私たちが皆で分かち合えるグローバルな成長と成功に向けたチャンスと課題について説明します。
G-P。Global Made Possible
ポルトガルは、2000年代初頭にユーロ圏に加入してから間もなく経済が低迷しました。しかし、ポルトガルはその後、顕著な経済回復を遂げており、その国内総生産は2017年に2.7パーセントのプラス成長を遂げています。この経済回復の要因の1つとして、事業にやさしい慣行の採用が挙げられます。たとえば、ポルトガルは労働法を改定して、法律と制度そのものの柔軟性を高めました。
お客様がポルトガルへの事業拡大に関心があり、現地の労働制度に対する理解を高めたいのであれば、当社のポルトガルにおける採用ガイドをご利用いただくことで、同国における規則と要件を確認し、採用時の期待およびプロセスに関する洞察を把握できます。
ポルトガルで採用する前に知っておくべきこと
ポルトガルで新しい従業員を採用する前に、税金、賃金、および雇用契約の作成に関する規則と要件を調査しておきましょう。
1. ポルトガルの人口
2020年時点で、ポルトガルでは1,020万人の市民が生活しており、平均年齢は46.2歳となっています。ポルトガルは、女性1人あたりの出生率はわずか1.29人という点で欧州連合の中でも際立っており、少子化によって人口が減少している国です。これ以上の人口減少を回避して人口を増やすため、同国は移民を推奨しているほか、国外居住中のポルトガル人に帰国するよう積極的に呼びかけています。
ポルトガルへの帰国を促す金銭的イニシアティブや納税義務の緩和など、人口を増やすための促進策として複数のプログラムが存在します。また政府は、外国人投資家や雇用創出者にポルトガルへの移住を促すプログラムも作成しています。
2. 給与支払い管理と賃金
ポルトガルは、欧州諸国の中で最も最低賃金の低い国の1つです。2022時点で、毎月の最低賃金は700ユーロとなっています(年14回の支払いに基づく)。政府は、生活費および同国の生産性の向上を受け、毎年最低賃金を引き上げています。現行政権の下では、2023年までに毎月の最低賃金が750ユーロにまで上がる予定です。
3. 就業時間と休暇
ポルトガルにおける「通常の就業時間」は1日8時間、週に合計40時間となっていますが、一部例外はあります。貴社と従業員が締結する契約書には、就業日の具体的な長さを明記する必要があります。週に40時間以上働いた場合、従業員にはその時間を休暇として補償してもらうか、残業代として支払ってもらう権利があります。残業の1時間分の支払いは、通常の時給の25パーセント増となります。就業日中に発生する1時間分より後の残業代の支払いは、通常の時給よりも37.5パーセント増となります。
祝日または週末など、通常であれば休みの日に従業員が働かなくてはならない場合、通常の時給の50パーセント増で支払う必要があります。
ポルトガル従業員には、毎年最低でも22日間の有給休暇が支給されます。また、6ヶ月未満の契約の場合は、雇用期間中に1ヶ月あたり2日間の有給休暇が支給されます。団体交渉協約に基づき、有給休暇の日数が増える場合もあります。労働法の下、従業員は有給休暇を必ず取得する必要があり、他の報酬と交換することはできません。雇用主は、たとえば年間で最も忙しい時期に従業員が有給休暇の取得を予定した場合などは、その取得を拒否する権利があります。ただし、有給休暇の取得を拒否された従業員は、その分の補償を受けなくてはいけません。
4. 税金
ポルトガルには、所得税と社会保障税があります。所得税は、従業員の所得に応じて14.5パーセントから48パーセントに及びます。
社会保障税は、雇用主と従業員の双方が支払う必要があります。従業員の場合、税率は11パーセントです。雇用主の場合、税率は23.75パーセントです。社会保障の拠出は、年金、家族手当、および失業保険のコストをカバーします。
5. 契約の種類
通常、ポルトガルで従業員を採用する際は無期契約となります。雇用主と従業員の間で交わされる取り決めに問題がなければ、従業員は必要な限り会社で働き続けることができます。
雇用形態が無期ではない場合、一般的に契約書が必要となります。雇用契約には以下の種類があります。
- 有期
- 無期
- 断続的
- パート
- テレワーク
- 派遣
一般的に、契約の開始期間は90日から180日までの試用期間にあたり、これは従業員の仕事と必要なスキルレベルによって異なります。有期契約の場合、試用期間は15日から30日になります。試用期間の目的は、従業員と雇用主にとって契約の内容が適切であり、両当事者に契約を継続する意思があるか確認することにあります。
有期契約は雇用に関する規制によって厳重に制限されるため、該当するポストが無期ではなく一時的なポストとして提供されている理由を把握しておくことが大事です。
6. 言語
ポルトガル語はポルトガルの公用語であり、最も一般的に利用されている言語です。ポルトガルと英国の関係上、またポルトガルにおける観光人気から、英語は幅広く利用されています。多くの学生は、学校で第2言語として英語を学びます。ポルトガルの英語話者は、世界で10番目に英語が堪能であると評価されています。スペイン語とフランス語も一般的に話されています。
ポルトガルで従業員を採用する場合のコスト
内定者を採用する場合の費用には、以下の項目が含まれます。
- 求人広告の掲載費:無料の求人掲示板は存在しますが、有料の関連掲示板に掲載する方が望ましいでしょう。
- 渡航費:候補者と会い、採用に関する意思決定を行うには、ポルトガルに渡航する必要があるかもしれません。また、候補者の渡航費もカバーする必要があるかもしれません。
- 人事部のコスト:専属の人事チームを抱えていない場合、誰かが応募書類の審査および候補者の面接に時間を割く必要があります。人事部がある場合でも、採用プロセスを完了させるために時間を割かなくてはいけません。
- 入社プロセスのコスト:新規従業員の入社プロセスには時間と費用がかかります。ポルトガルでは新しいチームメンバーに一定時間の研修を提供する必要があるため、生産性の低下という意味でコストが上昇する可能性があります。
雇用代行業者(EOR)と提携すれば、入社プロセスやその他の採用関連コストを抑えることができます。雇用代行業者は給与支払い管理を設定して、雇用契約などの採用プロセスがポルトガルの労働規範を確実に順守するように万全を期します。貴社は採用や人事に関する細かい法的側面に対応するのではなく、新しい従業員のスキル開発と事業の成長に集中できるようになります。
ポルトガルにおける採用慣行
ポルトガルにおける採用手順は、お客様の本社所在国の内容に類似している可能性が高いです。基本的に、候補者が求人に応募する際は履歴書と送り状を添えて提出します。履歴書は数ページにおよび、候補者の学歴、職務経験、趣味などが記載されています。一部の履歴書には、応募者の写真が含まれている場合もあります。送り状は標準的なレターまたはA4サイズ用紙の1面のみとなります。
履歴書と送り状に目を通した後は、適格な候補者に連絡を取り、面接を実施します。面接は対面式、電話、またはテレビ電話によって実施できます。通常は対面式面接が行われますが、現地に渡航して対面式を実施できない場合は、電話またはテレビ電話による面接が適しています。
ポルトガルでは、通常の就業時間中に応募者がどのように行動するか、または課題にどれだけうまく対処できるか説明を求めるアセスメントを実施するよう、企業が応募者に依頼することも珍しくありません。アセスメントの結果によっては、会社が採用を決定する前に2度目の面接を行う場合もあります。
また、会社が就業開始日、事業プロジェクト、および事業計画をまとめられるよう、応募者は現在の通知期間に従う必要があります。通知期間は候補者の現在の雇用主との勤続年数によって異なります。
ポルトガルで採用する企業が知っておくべきこと
21世紀初頭の世界経済危機に対処すべく、ポルトガルは国際企業を温かく迎え入れるため、事業に優しい商慣行を採用しました。その結果、近年、Googleやメルセデスベンツなどの大手企業が子会社を設立しています。国際企業をポルトガルに誘致するために実施された方針には、官僚的形式主義を減らす合理化された設立プロセス、そして外国投資を奨励する資金調達などが挙げられます。
このように簡素化されたプロセスであっても、ポルトガルで子会社を設立するには数ヶ月かかります。現地でより迅速に従業員の採用を開始するには、雇用代行業者との提携が推奨されます。雇用代行業者は、法令を順守した給与支払い管理、そして従業員の採用に伴う法的要件への対応を行います。当社は、貴社が採用した従業員が現地国および業界において魅力的な報酬と福利厚生を得られるよう、万全を期しながら、貴社が労働規範を順守できるようにします。雇用代行業者と提携することで、事業法人を設立することなく複数の国に拡大し、世界各地で従業員を採用できるようになります。
ポルトガルにおけるリモート従業員の採用
リモート従業員を採用する場合、またはリモート面接を実施する場合は、いくつかの重要な手順に留意する必要があります。
- 毎回の面接を実施する前に必ず技術的な問題がないかテストする:どのテレビ会議ソフトを利用する場合でも、毎回の面接を実施する前に必ずテストしておきましょう。問題が発生した場合に候補者の面接を遅らせたり再スケジュールする必要のないよう、テストとトラブルシューティングには十分な時間を設けてください。
- 時差を考慮する:お客様の本社所在国によっては、応募者との著しい時差を伴う場合もあります。例えば、米国東海岸が午後1時30時の場合、リスボンは午後6時30時になります。混乱を避けるため、面接の時間は候補者のタイムゾーンで提案しましょう。
- 通話時に全員を紹介する:対面式面接を実施する場合は、その場に出席するすべての人物を紹介してから面接を進めることになるはずです。テレビ電話の際も同じ手順を踏むことで、候補者が誰に話しかけるべきか、そして面接を行っている人物が誰であるか把握できます。テレビ電話に同席しているが、面接には参加しない人物がいる場合、その旨を候補者に伝えてください。
- 候補者が面接で利用するテクノロジーにアクセスできることを確認する:面接の開始前に候補者にメールを送り、利用予定のテクノロジーに馴染みはあるか確認しておくとよいでしょう。他人またはペットなどによる中断を招くことのない静かな空間、ヘットフォンとマイク、そして安定したインターネット接続など、面接を問題なく進めるために必要な環境について説明しておきましょう。候補者には、テレビ電話プラットフォームの音声やカメラが問題なく動作しているか、面接前にテストしてもらいましょう。
- 差別的なテーマは避ける: ポルトガルの雇用に関する法律は、年齢、性自認、宗教、および民族的出身など、複数のカテゴリーにおける差別を禁止しています。候補者に関する理解を深める過程で、一部の保護クラスに関する情報が提示されるかもしれませんが、自発的に伝えられた情報が採用判断に影響を与えてはいけません。
- 次の段階について候補者に知らせる:面接の終了時に、次の段階を候補者に伝えましょう。面接結果の連絡はいつ頃になるのか、追加のアセスメントまたは面接をスケジュールすることになるか伝えておきましょう。
ポルトガルで最適な候補者を探す際は、以下の点に留意しておくと最高の人材を採用できます。
- 成長マインドセットを探す:成長に関心があり、失敗から学ぶことができると考える候補者は、お客様のチームにとって素晴らしいアセットとなります。こうした人材は、自らを向上させるための手順を踏み、常に改善する方法を見出す可能性が高いでしょう。
- 言語スキルを考慮する:国際拡大する企業が一言語のみを話すわけにはいきません。ポルトガル語に堪能な候補者には、貴社が現地の文化や期待を把握できるようサポートする力があるかもしれません。第一言語がポルトガル語ではない場合は、これが特に当てはまる可能性があります。ただし、通訳者または翻訳家を雇う必要性はあるかもしれません。
- 採用プロセスを焦らない:適切な人物を採用するには時間がかかります。国境や大陸を越えた採用活動を行う場合、さらに多くの時間がかかるかもしれません。貴社が適切な候補者を見つけるまで、最低でも数か月間単位の十分な時間を想定しましょう。雇用代行業者と提携した場合は入社プロセスが迅速に進みます。このため、仕事に最適な人材を見つけた後はただちに準備を進めて採用できるようになります。
Globalization Partnersを雇用代行業者として利用し、ポルトガルで従業員を採用する
ポルトガルで可能な限り早急に人材を採用したい場合、Globalization Partnersは確実にお客様をサポートできます。当社の専門家チームはお客様にとって従業員の雇用代行業者となることで、以下に示すポルトガルの法律への対応を引き受けます。EORとして、当社は、貴社の従業員が法令を遵守して支払いを受け、適切な税金が源泉徴収され、貴社の事業が国の労働法およびその他の雇用規制を遵守し続けることを保証します。Globalization PartnersのようなEORと仕事をするときに、別の子会社を設立するのに時間やお金を費やす必要はありません。今すぐ問い合わせて提案要求を行い、グローバル市場に一歩近づきましょう。