グローバル拡大 - 現地採用と海外転勤のどちらがよいか?

お客様の会社がグローバルな事業拡大を進める準備が整っているのであれば、従業員を異なる国々で雇用するべきか、それとも新しい国に転勤させるべきか悩んでいるかもしれません。 後で説明するように、簡単な答えはありません。 それでも、重要な要素をいくつか検討することで、戦略的な決定を下すことができます。

これから各要素を検討し、次に新規採用か転勤かをめぐるメリットとデメリットを検討します。そうすることで、自社に合った、目標の達成に役立つ、情報に基づく決定を下せます。

グローバル拡大の目標

まず、グローバル拡大を目指す理由、そしてこの国を選択する理由について、それぞれ明確なビジョンを持たなければなりません。 短期的に、長期的に、成し遂げたいのは何ですか? この全体像を持っていなければ、新規採用か転勤かについて、情報に基づいた決定は下せません。

主眼は次のいずれかの目標の達成にあるのか、それとも他の目標にあるのかを検討します。

  • 自社ブランドの知名度を高める
  • 新規市場に参入する
  • 新しい国で大規模な顧客基盤を築く
  • 費用対効果に優れた場所に製造プラントまたは顧客サービスコールセンターを設置する
  • 他の近隣諸国への足がかりとしてハブを設置する
  • 技能や資格の点で優れた労働力を利用する

目標を認識しておけば、拡大に向けた戦略的ゲームプランの作成に役立ちます。これには、新規雇用と転勤のいずれが合理的か、両方とも検討すべきか、それとも双方の組合せを検討するのが妥当かなどが含まれます。

従業員の意欲と安定度

従業員の意欲と安定度

初期段階で考えるべき事項として、既存の従業員の中に、新しい勤務地への転勤に関心を持っている人がいるかという点があります。 家族があり、本国とのつながりが深ければ、遠国への転勤、あるいは隣国であっても、転勤には関心がないかもしれません。

それでも、喜んで転勤したいという人がいるかもしれません。 もちろん、そのような熱意のある従業員が、会社のグローバル事業拡大に役立つ必要技能・経験を備えていることも重要です。 ここで留意すべき点は、転勤に関心を持ち、その責任を引き受ける準備が整っている従業員がいると想定してはいけません。

意欲と資格を兼ね備えた従業員が全くいない、または十分にいない場合、別の決定が必要になります。 新しい国における居住者の採用プロセスを開始すべき時です。 意欲的で資格のある従業員がいる場合は、残りの要素も検討し、彼らを派遣するか現地採用するかを決定します。

新しい国での事業運営の規模

検討すべき要素は事業拡大の規模です。 グローバル拡大といっても、外国でリモート従業員を1人だけ雇用する場合もあれば、国内にフルスタッフの子会社や支店を開設する場合もあり、多岐にわたります。 数人で足りるのであれば、既存従業員の派遣を検討できます。 この場合、外国での現地採用も受け入れられる選択肢です。

しかし、かなりの人数が必要な場合は、現地採用を計画するのがよいでしょう。 例えば、新しい大陸や地域に進出し、そこを一大拠点にしたい場合は、本格的な人員配置が必要になります。

本国から代表者を1人または2人派遣して業務を遂行させることもできますが、全体的には、その国の居住者や就労権を持つ外国人居住者を雇うことができます。 その国で事業要員を常に確保する長期ソリューションとしては、その方が得策です。

文化・言語の違い

また、本国と進出先の国の言語や文化の違いを比較・検討する必要もあります。 進出先では、居住者の多くが本国と同じ言語を話し、文化にも多くの類似性がある場合もあれば、ほとんど分からない言語を話し、文化も大きく異なる場合もあります。

いずれの場合でも、既存従業員を駐在員として派遣するケースと、その国で現地採用するケースが考えられます。 既存従業員を派遣する場合、外国語を話す候補者とやり取りする煩わしさがありません。 それでも、海外駐在員向けの言語・文化研修に投資し、移転までに十分な時間をかける必要があります。

現地採用であれば、地元の地域社会に溶け込む機会が増え、こちらの事業を他の外国語グループにも紹介してもらう利益が得られます。 多言語を話す応募者を探すこともできます。そのような技能を持った人材は、グローバル拡大を目指す企業の貴重な資産として活用できます。 英語で仕事を行っているのであれば、英語は世界で最も広く話されている言語であり、英語使用者の多くは、母国語が異なるという事実から利益が得られます。

現地採用によって、自社の多様性が広がります。 文化的背景の異なる従業員は、新たな洞察力を得る助けとなります。特に、企業のグローバル運営に貢献します。

企業として専門知識を持つことの重要性

企業として専門知識を持つことの重要性

考慮すべき別の点として、新しい国の従業員が自社の知識に精通した代表者でなければならないか、それとも担当分野に精通していれば、会社について知識がなくても問題ないかという点が挙げられます。 その回答は、その国で何を行うか、また従業員に何をしてもらいたいかによって大きく異なります。

全ての新入社員が研修を受講して、仕事のやり方を理解し、会社に関する幅広い知識を身につけるべきです。 ただ、時間の経過に伴い専門知識のレベルが上がるため、仕事に自信が持てるようになる上級社員が増え、会社の代表者としての知識も豊富になります。

新しい国の従業員が業界や自社の仕事について精通している必要がある場合は、既存従業員の転勤を検討すべきです。 さらに数人を現地採用して補完できますが、その場合、経験を積んだ従業員の下で研修を受けるべきです。 新しい国で事業を立ち上げて、必要な専門知識を現地従業員が習得したら、最初に派遣した従業員を本国に呼び戻すこともできます。

現地の労働力

考慮すべき別の点は、進出先の国の現地労働力です。 その国の候補者を全て把握することはできませんが、国内のトレンドを考える上で役に立ちます。 一般に、労働力の教育程度はどれほどでしょうか? 労働者が得意としているのはどの業界ですか?

場合によっては、新しい国で現地採用することで、自社に適任の貴重な人材や専門知識を活用できるようになります。 その一方で、適格な候補者を見つけるのに苦労する場合もあるので、本国から従業員を転勤させるのが得策になることもあります。

現地の労働力について知るには、ある程度の調査が必要となります。 ビジネス、テクノロジー、データの各技能に関心があるのなら、これらのスキルセット別に国をランク付けしたハーバードビジネスレビューの調査を検討できます。 ビジネス技能はフィンランド、テクノロジー技能はアルゼンチン、データ技能はイスラエルがそれぞれトップでした。

また、その国の国民が最も多く取得している学位に関する統計もチェックできます。 例えば、米国で最も人気のある学士号は経営学です。 特定の学位を取得したプロフェッショナルを探しているのなら、その学位制度が国内でどの程度人気があるかを調べます。

経済的な影響

他のビジネス上の決定と同様、各選択肢の経済的な影響も考慮する必要があります。 従業員の転勤も新規採用も経費がかかります。 どちらの経費が大きいかは、具体的な状況に応じて異なります。 それぞれの選択肢に伴う費用を分析して、自社組織にはどちらが費用対効果が高いかを判断します。

グローバルな事業拡大に際して、従業員の転勤は、ビザの取得や、場合によっては従業員だけでなく家族も新しい国に移住させるための費用負担が発生します。 これには言語・文化研修の受講費用も含まれます。 現地採用すれば、このようなコストは不要です。 それでも、新規採用には別のコストがかかります。例えば、人員手配代理業者の手数料や社内採用委員会の有給労働時間に対する費用などがあります。

考慮すべきコストの別の点は、従業員に支給する給与と福利厚生です。 どの場所にもそれぞれの経済、生活費、法律面での要件があり、それら全てを考慮して従業員の適正な給与や福利厚生を決定します。 従業員を恒久的に転勤させるのであれば、そのようなコストは国内従業員や駐在員と同様になります。 しかし、一時的な派遣を検討しているのであれば、給与支払い管理をそのままにして、本国での報酬・税金の法的要件に従うことができます。

進出のスケジュール

進出のスケジュール

考慮すべき別の大きな要素は、進出に向けたスケジュールです。 転勤も新規採用も時間がかかりますが、できるだけ早い進出を目指しているのなら、手っ取り早い選択肢があります。 どちらの選択肢が早く完了するかの判断は、転勤と雇用手続きに伴う全てのステップに依存します。

通常、多くの組織にとって、既存従業員の転勤は、新規雇用手続きよりも迅速な「プラグアンドプレイ」選択肢となります。特に、一時的な転勤であれば、完全に腰を落ち着けて長期居住者となるために必要なビザの取得は不要です。

しかし、新しい国で長期雇用するのであれば、まずは事業法人の設立が必須です。 これは、国によっては非常に時間がかかり、多大な事務手続きや形式的な書類作業がつきものです。 単純に事業を立ち上げるだけでも十分ではありません。 その国の関連する全ての雇用法を理解し、自社の人事規範や給与支払い管理が要件に合致するようにしなければなりません。

新しい国での事業の立ち上げや不慣れな規則の理解に伴う複雑さ・コスト・時間を考え、その国の専門家雇用組織(PEO)との業務提携を選択する企業もあります。 専門家雇用組織(PEO)は、企業の雇用代行業者として働くため、貴社は新しい国で法人を設立したり、給与支払い管理を行う必要がありません。 代わりに、専門家雇用組織(PEO)の既存法人や現地での専門知識を利用して、グローバル拡大の道を急ぐことができます。

メリットとデメリットを見る

正しい決定は、上記の全ての要素や、場合によっては他の要素によっても左右されるため、転勤または新規雇用かという問題には、単純明快な回答がありません。 それでも、まだすっきりしないのであれば、各選択肢の長所と短所をいくつか検討してみるとよいでしょう。

転勤のメリットとデメリット

まず、既存の従業員の海外転勤のメリットを見てみましょう。

  • 既存の従業員は、既に自社での経験があり、職務上の専門知識も備えています。
  • 本社をよく知っており、そのモデルに従う支社や子会社の設立を手伝うことができます。
  • 採用プロセスに伴う時間とコストが不要になります。

この選択肢には、以下のような欠点もあります。

  • 転勤者は異動に乗り気でないか、新しい土地に順応するのに苦労する可能性があります。
  • 地元の知識を取り入れて、新しい国で効果的な仕事ができるようになるまで時間がかかります。

新規採用のメリットとデメリット

新しい国での新規採用にもメリットとデメリットがつきものです。 まずは長所から見てみましょう。

  • 内定者には、自社がその市場とつながりを持ち、チームを多様化するのに役立つ言語と文化に関する地元の知識がおそらく豊富に備わっています。
  • その国には、チームに加えたい業界専門家や人材が居住している可能性があります。
  • 人件費が本国よりもかからない場合があります。

この選択肢には、いくつかの欠点があります。

  • 内定者の自社に関する知識は乏しく、職務を効果的に遂行できるようになるまで時間がかかります。
  • 新規採用には、できればかけたくない時間、コスト、研修が必要になります。

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